専門家(FP)による住宅ローンコラム 気になる住宅ローンの選び方や借り方など、最新情報を交えご紹介します。
2010年7月1日 更新 なぜ住宅ローン返済がきびしくなるのか!?~購入予算が全て~
2009年末、ある民間会社の調査で、2009年上期の住宅競売件数が、2007年下期の2倍近くになった、というニュースが新聞やテレビでも報道され話題になりました。競売が増えた理由としては、給与カットで住宅ローンの支払いができなくなった人が増えたというのが主な理由のようです。長引く不況という時代背景から、現在は収入減によって支払いが厳しくなるケースが多いようですが、そもそも住宅ローン返済が厳しくなる理由はそれだけではありません。せっかく手に入れたマイホーム。日々の生活の基礎となる場所ですから、支払いに心配のない生活を送りたいものですね。
●返済が厳しくなる理由は?
住宅ローン返済中に返済が厳しくなる理由は、次のようなものが考えられます。
住宅ローン返済は、20年、30年にわたるものなので、その間の収入・支出の上下は生じて当たり前です。子どもの教育費、住宅の修繕や建て替えなど、お金がかかるとわかっているライフプランはあらかじめ入れた上での返済計画が必要です。
家計の収支の波を知ることが大切なわけですが、その上での予算決めがその後の家計の余裕度を決めると言っても過言ではありません。つまりは、住宅取得の物件予算こそが要になるのです。実際には支払える金額であったとしても、住宅ローンの支払いが優先し、そのために他のことをガマンしている状態も、「返済が厳しい」という感じを受けてしまうでしょう。
●住宅取得予算を生涯収支から考えよう
1.住宅に使えるお金はいくら?
住宅は、生涯で一番高い買い物と言われるもの。他の支出とのバランスも考えておきましょう。その方法の一つが、生涯収支から考える方法です。
今後、得られる収入を、生活費、教育費、老後の生活費、レジャー費、そして住宅費にどのくらいずつ配分するのか、考えたことはありますか?この割り振りの配分こそが、一人ひとりの人生の送り方の価値観を反映しています。

これからの収入(給与、退職金、老後の年金)の総合計の予想 約2億6,000万円
| 定年前までの生活費 | 約8,500万円 |
|---|---|
| 老後の生活費 | 約6,500万円 |
| 教育費 | 約2,500万円 |
| その他 | 約500万円 |
今後かかる費用を上記のように見積もると、Aさんが住宅に使えるお金は
総収入2億6,000万円-定年前までの生活費8,500万円-老後の生活費6,500万円-教育費2500万円-その他500万円=8,000万円
とわかります。この金額が上限になるわけです。これよりも多く使いたければ、例えば生活費を抑えるなどの調整が必要になりますし、もっと教育費を多くしたいという場合には、住宅に使えるお金を減らすことも考えなくてはなりません。
2.住宅に使えるお金から購入予算を考える
さて、Aさんの場合には、8,000万円が上限と出てきたわけですが、これが購入の予算になるわけではありません。住宅を所有すればランニングコストがかかります。住宅ローンの金利、固定資産税、修繕の費用、購入時の諸費用なども考慮する必要があります。

住宅にかけられる総額から、物件価額以外にかかる金額を差し引けば、購入できる物件の価額が出てきます。
住宅取得予算の考え方は、年収や現在の家賃などから導き出される方法が多く紹介されています。ほとんどの方が、今「住宅ローンを支払えるか」からを中心に検討するのではないでしょうか?しかし、この考え方のみでは、将来の家計や今後のライフプラン、希望や目標が抜けてしまい、そのため将来使いたいことにお金が使えずに不満がたまったり、使いたいことを優先してしまった結果住宅ローンの支払いが厳しくなったりするのです。
住宅購入は、人生に大きく影響する買い物です。どんな家に住みたいかを考えるのと同時に、どんな人生を送りたいかを今一度考えたり確認することで、無理のない購入予算を導きだせるものと思います。
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